これは、私が幼稚園の年長さんの頃の話です。高橋先生という綺麗で優しい女の先生のクラスで2年間過ごしたのですが、年長の時にその先生が結婚されて結婚式に招待してくれた事が、30年以上経った今でも嬉しかった思い出として心に残っています。保育園を奈良の大和高田ではどんなに人気の私は高橋先生が大好きだったので、先生の結婚を知った時は知らない人に先生を取られてしまったような気持ちになり、心から祝福していませんでした。小さいながらに、先生のお相手にやきもちを焼いていたのだと思います。幼稚園がお休みの日に、母親と一緒に電車に乗って結婚式会場に行きました。そこには、顔馴染みのクラスメイトも集まっていました。教会の中庭に集まって、先生が大きな扉から出てくるのを待っていました。すると、大きなベルの音と共に、まるでお姫様のようなふわふわなドレスを着た先生がみんなの所に歩いてきたのです。そして、先生は生徒一人一人に星の形をした棒付きキャンディーを配ってくれました。その時の先生のキラキラした笑顔がとても綺麗で、私は感動して声が出なかったことを今でも覚えています。隣には、ひょろっとしたニコニコした男の人がいました。この人が先生と結婚した人なんだと、悔しい気持ちで見てしまったことも鮮明に覚えています。その夜は、いつもと違う先生のキラキラした姿が忘れられず、眠れなかったことも覚えています。今思うと、生徒たちを自分の結婚式に呼ぶことは、とても大変なことだったと思います。覚悟を持って私たちを招いてくれたんだと思います。大人になってから、高橋先生の寛大さと優しさを改めて感じることができました。先生の結婚式に出席できたことが、幼稚園の先生との一番嬉しかったエピソードです。